やたらと長いよ情緒安定戦略
情緒ってなんだろう
そもそも情緒とは何かについて、日本語の定義を辞書でしらべてみた。(出典:ブリタニカ国際大百科事典)
情動 ともいう。喜び,悲しみ,怒り,恐れなどによって代表される感情群で,筋や腺の特徴的な複雑な活動を伴う。
情動は,広義の感情のなかで以下のような特色をもつ過程とされる。
(1) 環境刺激の知覚によって生じる。
(2) 比較的急速に引起される一過性の過程である。
(3) 呼吸,循環,消化などの生理的諸機能に激しい変化が生じる。
(4) 接近,退避などの強い運動傾向を伴う。
(5) 行動の攪乱状態が生じる。
しかし,これらの性質は他の感情諸過程にも多少とも認められるものであって,必ずしも情緒だけがもつ特色とはいいがたく,したがって情緒を明確に定義することはむずかしい。
情緒には,特有の体験,身体的表出および生理的変化の3つの側面がある。情緒の体験には,ジェームズ=ランゲ説が指摘するように,末梢効果器からの感覚のフィードバックが重要な役割を演じている。
情緒の身体的表出は表情と呼ばれ,人間では顔面の表情がよく発達している。生理的変化は全身の広範な器官で生じ,自律神経系および内分泌系の支配を受けている。
うーん。わかりづらいので、僕なりの定義をすると、情緒とは、感情によって引き起こされる比較的短時間の身体的反応。とする。
次は、感情の定義
ん?そういえば似た言葉である感情の定義も調べてみた。(出典:ブリタニカ国際大百科事典)
日常用語としてもさまざまの意味で用いられるが,心理学的な定義も必ずしも明確ではない。
普通,広義には,精神の働きを知,情,意と3分したときの情的過程全般をさし,情動,気分,情操,興味などが含まれる。また,えん根,嫉妬などの複合感情もある。
狭義には,これらの情的過程に共通して認められる要素的感情としての快・不快をさす。
feelingという言葉の起源は「触れて知る」ことであり,やがて感覚器官を通さずに知覚することを意味するようになった。
しかし,感情と感覚との関係については議論が多く,感情は感覚とは独立の過程であるとする説と,感情は感覚 (特に皮膚感覚や内臓感覚) に帰着するとする説とに分れている。
これもわかりづらいので、僕なりの定義は、精神の働きのうち、快・不快(喜怒哀楽)を感じること。とする。
以上の定義を前提に考えると、感情のコントロールは不可能。但し、情緒はコントロールできる。ということになる。
つまり、感情は湧き上がってくるのでどうしようも無いけれども、それに対する反応は選ぶことができる。ということ。
これにより、情緒安定戦略とはすなわち、湧き上がった感情による反応をコントロールする力を高めること。となる。
反応をコントロールするためには、気力が必要。
感情に対する反応の選択は、心理的活動の中でおこることなので、気力エネルギーを消費して、実行することとなる。
エネルギーの充実ということならば、次の3つの方法についての対処の仕方を決める必要がある。
(1)エネルギーの総量を高める方法
(2)エネルギーの補充方法
(3)エネルギーの消費を抑える方法
(1)気力エネルギーの総量を高める方法
まず、気力エネルギーの総量はどのように決まっているのかと考えると、実は、生まれつきのものであるように思える。なぜならば、うちの3人の子どもたちでも、それぞれ気力の総量が違うように思えるからだ。
年齢的なものかと言えばそうでもない。うちの子供達の中で、最も気力エネルギーが高いのは、真ん中の子だ。
また、電車で舌打ちしまくってるおっさんとかも、気力エネルギーが高いとは全く思えない。
唯一、効果的な方法なのでは無いか?と思えるのは、体力エネルギーの充実に伴う、気力エネルギーの充実である。よって、気力エネルギーの総量を高めるための戦略は、体力エネルギーの総量を高めるための戦略と一体である。
(2)気力エネルギーの補充方法
人間が普通に生活している場合、なにをしていたとしても、気力エネルギーは消耗していると考えられる。(睡眠時は除く)
であれば、マイナスを超えるプラスを得ることのできる時間・回数を増やすしかない。
では、どのようなときに気力は+され、どのようなときにーされるのかを考えなければならない。
実は、これは、「快」を感じると補充。「不快」を感じると消費になっていると思う。
なので、できるだけ「快」を感じながら生活する。ということになるが、ありがちなのが、「快」と思っていたのに、やりすぎて「不快」になる。というパターンである。
・ゲームで負けて、イライラする
・美味しいご飯を食べすぎて、気持ち悪くなる
・一日中ごろごろしていて、自己嫌悪
・女の子と話がはずんだものの、夜を誘ったら拒否られて落ち込む
つまりは、「快」は腹八分がベストということになる。
では、「快」の腹八分をどのように見極めるか?と考えると、「まだ行ける!」と思ったときが、それに当たるように思う。
あとは、回数の増やし方だが、これについては、超効果的な方法がある。それは、「他人を褒める」ことである。
褒められて嫌な人はいない。誰だって褒められれば、つい笑顔が溢れる。(たまに無反応の人もいるが、内心は100%ほくそ笑む)
人の笑顔を見ると、「快」を感じるはず。
人の笑顔を見ると「不快」になる。という人は、おそらく、気力の充実以前の問題なので、ここでは除外する。
1日に◯回1分ずつ、他人を褒めてみて欲しい。褒めた後は、「快」を感じられているはずだ。
(3)気力エネルギーの消費を抑える方法
次に、気力エネルギーの消費を抑える方法だが、気力エネルギーの消費源は何だろうか?様々な要員があると思うが、「不快」だけではない。
反応を抑えようと我慢した時や、行動をはじめるとき(めんどくさい)、怒られれたり、非難された時、軽く扱われた時、自己嫌悪など、様々な場面で気力は消費される。
つまりは、「動きはじめ」「止める」「我慢」が気力を奪うことになる
ではこれを極小化するために、どうするかというと
「自働化」「ルール化」「パターン化」である。
まず、「自働化」「ルール化」だが、これは、スタート/ストップボタンを予め決めて、きっかけに対する行動を習慣にしてしまうことだ。
よく、歯磨きの例を上げてる人がいるが、一度習慣になってしまえば、その習慣を変える方にエネルギーが必要になるため、自働で継続出来てしまうというのが味噌である。
自働化は、行動をはじめるきっかけ(トリガー)を決めること
ある行動をしたら、一連の流れとして行動するようにすることである。
例えば、家についたら、そのまま2Fにあがって服を着替える。だとか、歯磨きしながらスクワット。とかである。
ルール化はストップボタンを決めること
お酒は3杯まで。とか、午後16時以降はコーヒーを飲まない。とか。
パターン化は、反応の仕方を「パターン」として固定してしまうこと
僕の友人で、イライラした時は微笑むというパターン化をした女の子がいたが、
最終的には、イライラすることが減ったそうだ。
このように、ある刺激や感情に対する反応を、感情のままにするのではなく、好ましい反応に定めておき、好ましい行動をするということである。
いきなり様々なことを同時に身につけることは出来ないので、自分の気力エネルギーを充実させる習慣をひとつひとつ身につけて行かなければならない。