モデルとダイナミズム
私達人間各個人は、非常に複雑な一面がある。それは、様々な感情、考え方が混在しているという意味においてだ。強盗前科何犯という人間であっても、目の前で子供が車道に飛び出そうとしたら、とっさに手を引っ張って助ける事もあるだろう。悪人だから、悪な感情ばかりではないというのが、人間の複雑さだ。
しかしながら、我々が日常に適用する考え方や、行動というのは、とてもシンプルである。いわゆる、勝手が分かるやり方。つまり、「いつものパターン」になりがちだ。
これは、脳が疲れない為には有効だ。
なぜなら、いつものパターンがあれば、脳は無視しても構わない情報を入れないように、省力するからだ。
例えば、通勤や通学でいつも使っている電車、バス、街を歩くときと、旅先では、疲れ方が全然違うのは、誰もが体験しているだろう。
何かをはじめてやる。時には、ワクワクするものの、おっくうだったり、注意が不足して、肝心なポイントを見落としたりする。
これを防ぐのに有効なのは、「雛型」を作る事だ。雛型を作り、疑似体験をしておくことで、脳にパターンを作らせる。我々の脳は非常に高性能で、拡張現実においてもパターンを生み出せる。これは、例えば、飛行機のパイロットが、フライトシュミレーターでトレーニングをしていることからも、現実的に証明されているだろう。
であるならば、○○の立場になって考える。というのも、有効な思考体験であると言える。若干の思い込みも存在するだろうから、全てのケースにおいて有効なのかはわからないが、少なくとも、いつものパターンからの脱出には有効だ。
さて、何が言いたいかというと、今、あなたの人生において、思うように事が運んでいない場合、あなたの人生を変えてくれるようなヒントは、「いつものパターン」で脳にカットされている可能性が高い。
これを変える為には、いつものパターンからの脱出が必要だ。そのためには、望ましい状況の雛型をつくり、疑似思考体験をする中で、気付きを得る。
雛型は大きくなくとも、構わないが、日常において、頻繁に繰り返す事が必要だ。でなければ、脳の想定の範囲内に収まり、パターンの更新は行われない。
例えば、食卓に花を飾る。お風呂に入浴剤を入れる。食器を変える。墓参りをする。非日常ではなく、日常の拡張。
人生が好転しはじめたら、雛型を展開していけばよい。
タイトルどおり、まさに、モデルとダイナミズムである