Focus notes

幸せに生きるためには、戦略的コミュニケーション技術が必要なのです。

コーポレートガバナンスは仕組みづくり

コーポレート・ガバナンスの話をしよう。

もはや、この時点で「めんどくせぇ」と思う人は思うだろう。

でもさ、これ、どのサイズの組織にだって応用できるのさ。

だって、全社サイズだから「コーポレート」ガバナンスなのであって、

チームレベルだったら、「チームガバナンス」なのだ。

ガバナンスをそのまま訳すと「統治」なので、何を表現したいのか、全く分からないと思う。なので、「仕組みづくり」と考えればいい。

 

じゃあ、どんな仕組みなのさ!と言ったら、なんのことはない。

説明責任者、実行者、点検者をちゃんと決めて、情報を共有して、関連する周りの人たちにも、ちゃんと説明がつく仕組みづくりだ。

なんでそんなことやんなきゃなんないの?成果出してればOKじゃん!

って思うよね?うん。わかる。

 

ちょっと身近感を出すために、チームレベルで考えて見よう。

ここに、AチームとBチームのそれぞれ5人のチームがあったとしよう。

Aチームのチームリーダーは、予算達成に対しては口うるさいが、それ以外は基本的に放任主義

Bチームのチームリーダーは、まあ、役割分担とか情報共有に口うるさい。

どっちもうるさい上司かよ・・・。

このAチームとBチームの違いで、仕組みづくりの大切さを語ってみよう。

Aチームは、自由

まずチームの予算を持っているが、誰がいくらというものはさほどきっちりとは決めない。取れるやつが取ればいい。という考え方だ。

だから、漫然とみんな20%ずつ達成すりゃいいよね。と思っている。

各営業マンがそれぞれ自分で案件を抱え、取れたら報告するけど、それ以外はチームメンバーにも聞かれない限り何も話さない。

だから、全て順調に言っているときはいいけど、体調不良の人間が出たときに、誰もカバーできない。そもそも契約書も各自で勝手な雛形でやってるし、請求書だって各自で勝手に作ってる。契約締結漏れやら、請求間違いが度々発生し、そのたびに残業・休出で対応だ。

あるメンバーが誇らしげに、「C社の契約、半年かかったけどとれたぜー」と自慢すると、別のメンバーから「いや、あそこの購買部長、うちのオヤジの同級生だから、言ってくれればすぐに取れたよ?」みたいな話が出て来る。

そんなチームだ。

Bチームは、ガバナンス

目標設定も明確に行われているものの、人には得手不得手があることがよくよくわかっているから、新規営業担当、管理営業担当、バックオフィス担当、プレゼン担当のような担当割りが出来上がっている。

もちろん、チーム全体で目標を追うので、週次と日次で情報共有がされている。

また、担当する顧客も決まっているので、D社あての請求書は、D社フォーマットで請求しないとだめだ。とかは、顧客管理ツールに記録されていて、計算方法や記述方法は文書に残されている。

だから、インフルエンザで長期療養者が出ても、他のメンバーで一時的に対応を代行することができる。

新規営業担当が、「今度は、E社をターゲットにしたいと思います。」と意思表明すると、別のメンバーが、「あの会社の社長は、うちの嫁の叔父さんなんで、とりあえず会うだけ会っときますか?」と教えてくれる。

 

まあ、よっぽど頭のおかしい人じゃない限り、Bチームを選ぶと思う。

これを「全社」レベルにしたのが、コーポレート・ガバナンスなのだ。

 

何を目指すか決めていて、みんなが理解していて、かつ役割分担がされていて、情報共有のルールが決まっている。ただ、それだけのことだ。

まあ、普通の会社ならば法務部とか総務部とか経理部とか、大まかな役割が部署ごとに割り当てられていて、役割分担くらいされているわ!と思うかもしれない。

だけど、「決め」が不十分な会社は多い。

一番「決め」が不十分なのは、「取締役会」だったりする。

 

経営の基本方針を決める。とか、目標予算を決める。とか、言ってる割には、

下から上がって来た数字だけ見て、いいだの悪いだの言ってるだけの

「取締役会」は多いものだ。

 

自分たちの果たすべき成果があいまいだから、担当している部門の達成すべき目標に幅をもたせる。未達成だと役員報酬が下がるから、バッファーを読む。

この受け身やろうどもだけが出世していく。

コーポレート・ガバナンスが機能していない会社は、無能集団に成り下がるのだ。

 

なんのために「コーポレート・ガバナンス」を整備・運用するかというと、成果が出せる組織を作るためだ。

まあ、曖昧にしておいたほうが自分の保身のためには都合がいい。と思ってる中間管理職が量産されていると、ガバナンスもクソもあったもんじゃないけどね。