態勢整備と体制整備の違い
いやー日本語って難しい。
監査計画を策定していて、当局のガイドラインを参考にしているのですが、「体制は整備されているか」という文章と、「態勢は整備されているか」という文章が存在していたので、どう違うのかを色々調べてみました。
これだ!という解説に出会えず
最も多かったのは、
体制=仕組み、システム、継続するもの
態勢=心構え、準備、一時的なもの
という解説だ。
これは、とても一般的な使用例から導かれた解で、このケースには当たらないなと感じた。
次に、保険業向けの金融庁のガイドラインを解説したコンサルタントの解説が次の通りだった。
体制=ルール、規程、組織など
態勢=運用、チェック、改善など
つまり、
体制は、プラン。
態勢は、Do Check Action。
という解説だ。
だいぶしっくりくる。
けど、もっと肝心な何かが抜けている気がしてならない。
それは、何なのかをずーっと考えて、一応の解を導き出した。
態勢は、態度と姿勢という意味も含む
つまり、ある決まりに対して、その決まりが必要な理由や背景を理解した上で、どのようにそのことを実現させるか?といったような本質的な議論をなしているかどうか?
また、外部環境や内部環境の変化に応じて、適宜、その趣旨を鑑み、再検討する文化があるか?
という意味だと僕は解釈した。
日本企業は割と不真面目
これまで何社かの会社を経験してきて、非上場会社もあれば、東証一部の会社もあるが、総じて、この「解釈をどうするか?」というような議論が出来た会社は、1社しかなかった。
あとはだいたい、法令に抵触するかどうか?しか考えない。
あとは、監査法人やら顧問弁護士からダメ出しされたかどうか。
さらには、罰則規定の有無で対応を変える社長もいた。
あるカリスマ経営者
先ほどの社長とは別の経営者の話をしよう。彼は、法令の細かいところまで知っている訳ではない。しかし、法令改正があると、必ず、「これって何のため?」「どこに影響があるのか?」を質問し、必要だと感じれば、必ず対応する。
しかし、
「これを守っても顧客保護には繋がらなくないですか?」
みたいな趣旨ズレ?を感じた時は、絶対に対応しないのだ。
彼には、形式主義は通用しない。
これこそが、態勢ができている。ということだし、貫くべき事なのだ。
かなり考えないと答えが導けないので、大変だけど、仕事はかくあるべきと思う。