Focus notes

幸せに生きるためには、戦略的コミュニケーション技術が必要なのです。

人生の転機は、ひょんなことから訪れるが、それを転機にできるかは自分次第だ。

「多い。」だと・・・。

今日は、久々の取締役会。私は、某東証一部上場企業で経営企画部の課長職を勤めていたこともあり、「取締役会」というのが、どんな感じなのか?というのは、肌感として、まあわかっている。

今の勤務先はある東証一部上場の会社に買収されたITベンチャーで、取締役会メンバーには、ITが理解できる人間が一人もおらず、ほとんどが親会社からの出向者。社外取締役の弁護士、税理士、情報セキュリティの専門家に、一縷の望みがあるかも・・・と考えていた。

内部監査は検察官ではない

これは、内部監査人として働いていく上での、私の仕事へのスタンスである。現場で作業している人間で、不正を使用と目論んで不正を働く人間なんて、まあ、存在しない。(いることもあるけど)

だから、日頃現場では「何を」重視し、「何に」苦労しながら、「どのように」工夫を働かせているのか?

これも内部監査人として、経営に伝える重要な報告事項だと思っている。

今回の報告も6部署の監査報告。

1ヶ月の期間に6部署もの監査を実施するために、休日出勤を含めると約100時間の時間外勤務を行い、さらに、報告も簡潔にまとめて、一部署あたりの監査報告にはエグゼクティブ・サマリーを添え、A41枚で全体像が捉えられるように仕上げた。

しかしながら、6部署ということは、少なくともA46枚読まなければならない。

これももしかしたら、分量が多い可能性があるからと、A42枚のエグゼクティブ・サマリーを添えた。

こうすることで

① A4 2枚で全体像を把握する。

②気になった部署のエグゼクティブ・サマリーA41枚を読む。

③詳細が気になればA42枚程度の詳細報告

を読むことができる。

さらに今回は、ある部署が大きな問題を抱えており、それが一目瞭然になるようにも仕上げてある。

私は、質疑応答の準備をして会議に望んだ。

社外取締役の一言

その結果が、社外取締役の一言である。

A4・2枚の報告書が「多い」のである。

残念ながら、その2枚の報告書には、部署ごとの詳細な情報は掲載できていない。

その部署が、どんな役割なのか?どのような外部組織との接点を担っているのか。

何人の部署なのか?という情報は、部署ごとサマリーを読まないとわからない。

しかし、その情報を省いた、問題点のみを記載した報告書の分量が「多い」のである。

さらには、「なんか表でさー、ぱっと見て問題がある。というのがわかるようにしてほしいんだよね。」

・・・はぁ。

いや、できるけど、それだけでいいの?リスクの兆候とか気にならないですか?

いやむしろ、法令への抵触が懸念されるところあるけど、読んでなくね?A4 2枚を・・・。

これには、正直驚いた。

想像を遥かに超えた「老害組織」になっているのだ。

取締役会資料は、ワード指定。

そう。ワードの表では手の混んだことはできない。

部署名:指摘件数:重要度くらいか・・・。

絶望・受容・次の一手

この結果に私は絶望した。

これじゃ勝てない。競合会社が打ってきている手や、顧客からのクレームへの対応状況の問題点、コミュニケーションエラーの構造の改善必要性の提案・・・どれだけ簡潔にまとめても読めない。のだ。

もはやこれまでか・・・。

私は、帰り道、歩きながら考えた。

「当社事業の事業環境と競合他社の参入状況から考えると、手を打たずして耐えられる期間は、長くて3年。短ければ1年持たないな。現在のコスト構造から考えると、縮小均衡戦略に切り替えても、持って3年というのは変わらないな。

しかしながら、ワンチャン一瞬事業環境がバブル的になる可能性はある。そのときにどのくらい競合のおこぼれを拾えるかでもう1年くらいは行けるかもしれない。」

虚しかった。

転職するか?

内部監査人の転職というのは、なかなか難しいものがある。更にいうと、やはり監査人というのは、むちゃくちゃもどかしい仕事なのだ。今の会社には、創業メンバーの多様性、能力、スピード感に惹かれて入社を決めた。だから内部監査でも良かった。

だが、また監査人で仕事を探すか?となると、ちょっと迷う。

私ももう40オーバー。3人の子供と住宅ローンとその他借金を抱えており、自由が効かない。今の今、転職をするというのは得策ではない。

取締役会は「老害化」しているが、執行役員会には2名のエンジニアがいる。

優秀なマーケッターも一人は残っている。

彼らから学べることはまだ学びきっていない!!

会社とともに成長という幻想が消えた日、何を思うか。

そもそもが幻だったのかもしれない。

日本企業ってどこもこんな感じだ。

7payの記者会見も酷かった。2段階認証すら知らないとか。。。

私は別にグローバルで戦えるような事業を興し、大金持ちになりたいんや!!

などと思ってはいない。

団塊ジュニア~バブル期の連中の元でどんなに頑張っても、もはや撤退戦で生き残りを狙うだけ。楽しくもなんともない。

いろいろと変えよう。このままじゃだめだ。

そんな決意をした1日だった。