就職する理由
今年度新卒採用の社員と話す機会があったので、就職する前に知っておいて欲しかった事を書いていきたい。
①会社は永続しない
2016年の東京商工リサーチのレポートでは、日本の会社の平均寿命は24.1年だったそうな。もちろん、長命な企業はあるものの、短命な企業がとんでも無い数あるだろうから、平均が短くはなる。しかしながら、総倒産件数に占める創業30年以上の会社が締める割合は、実に3割ちょいということだ。
年間で8000件以上の企業が倒産しており、そのうち約3割が創業30年以上の会社だとすれば、1日あたり6.8件の会社が倒産している計算になる。
倒産までは行かなくとも、景気が悪くてボーナスが出ない。リストラ。みたいなことで生き延びている会社も含めると、会社は永続するとは思えないのがわかると思う。
②経営者って別に凄くない。特に銀行出身者
新入社員からすると、経営者ってのは凄く仕事ができる人というイメージかも知れないがら正直、ダメな人も混ざってる。
当然、人生の先輩ではあるので、相応の敬意を持って接する必要はあるが、彼らの話を鵜呑みにしても、対して参考にはならない。
たまたま上手く行っただけのケースもあり、すごい経営者に出会える可能性は限りなく低い。
誰かが考えた経営戦略を鵜呑みにするのではなく、理解し、自分なりの仮説を持つようにしたい。
③変化には時間がかかる
ダメな経営者が変わるのも、会社の待遇が良くなるのも、専門性を身につけるのも、大きな変化には思ったよりも、時間がかかる。
現場では明白な問題が、経営課題と認識されるまでも時間がかかり、調査分析、対策検討、実行までに数年かかるような会社の方が多数だ。
また、あなたが専門性を身につけるのにも、実務経験と言えるまでには少なくとも2年以上の経験が必要だ。
④とは言え、20代はあと8年しかない
大学を卒業し、22歳で社会に出たのならば、20代というのは、たった8年しか残されていない。学生アルバイトとは違い給料も増え、ボーナスなんか貰っちゃった日には、遊びたくて仕方がないと思うし、その気持ちも十分理解できる。しかしだ。組織というものはとにかく時間がかかる。そのスピードに合わせていたら、自分自身もなまくらになる。
とはいえ、どんなに焦ろうとも組織は動かない。
⑤ビジネスオーナーか投資家がゴール(就職の理由)
そして、最高に残念なお知らせだが、大学教授や研究者でないならば、ビジネスオーナーか投資家になるのが、社会人のゴールだ。
運の要素が多少あるにしろ、彼らは世の中に貢献している。給与所得者は、世の中への貢献と給与でトントンかマイナスなのだ。
もちろん、雇われているので、そのビジネスオーナーが見つけた社会的課題を解決するための手伝いはしているし、とても素晴らしい人も大勢いる。また、ビジネスオーナーや投資家でろくでもない奴が大勢いるのも知っている。しかし、そのビジネスが生み出されなければ、顧客も雇用も生み出されてはいないのだ。
⑥俺みたいになるな!
結論はこれだ。40過ぎて気付いたんだよ。元役員や、元部長で独立した人達。会社で共に働いていた頃は、尊敬していたんだ。
だが、あれからもう1年。
彼らはほとんどリタイア状態で、当時ほどの覇気もなく、昔話に花が咲くのだ。50にして。確実な儲け話にしか投資はしない。
貢献より生き残りが優先ですよ、そりゃあ。
あと2年でオリンピック。その後には不況が待っている。経営者が突然目覚めて、グローバルで生き残れる会社にガラっと変わるなんて起こりえない。そんなタイミングで生まれてきてしまったんだ。でも、氷河期世代よりは恵まれてる。給与で自己投資可能だ。詐欺的情報商材屋に溢れているが、のめり込みすぎないように頑張って欲しい。