ストックとフロー
これまで何度も書いているとは思うのですが、再びストックとフローについて書きたいと思います。
ストックとは
資産のことです。資産とは、自分の持つ『収益を生み出すもの』のことで、有価物はもちろんのこと、ソフトウェアなども含みます。
財務諸表のうち、貸借対照表で表されるのが、ストックですが、貸借対照表上には現れない、人、ノウハウ、人脈などもストックと言えます。
フローとは
一定期間に流れたものの事です。わかりづらいですね。ストックの増減の度合いを表していると思ってください。
財務諸表では、損益計算書であらわされ、流入が多ければ、儲けてる。流出が多ければ損してることになります。
経営の目的
前職と現職の大きな差は、経営陣がフローを重視しているか、ストックを重視しているかの違いです。
前職は、既に上場している会社でした。ここで経営陣が意識していたのは、フローでした。取締役会や、経営会議の席上で話題に上がるのは、売上、粗利、営業利益の話ばかりでした。
一方、現職は非上場ベンチャーですが、ストックをかなり重視しており、今期の売上等は順調(前期比800%程度の増加)ですが、増やしたいストックの増加度合いが想定より少ないため、危機感があります。
業態も市場も、ステージも異なる比較ですので、学術的な分析は出来ませんが、前職は泥棒を見て縄をなうような経営で、インシデントは管理されていないため、アクシデントは多発し、どんな人材が必要なのか明確に定義されていないため、各部門長が保身のために「自分より優秀な人間は採用しない」と決めていたりします。
現職場はフローが順調ではありますが、経営陣は週次で、どのような施策を打ってストックを増やすのかについてを社員に語りかけ、全ての部門でインシデントが管理され、ミスは再発しないように、ノウハウが蓄積される仕組みになっています。
人材もシニア(管理職および管理職候補)とジュニア(実務担当レベル)要件が明確に定義されており、シニアレベルでの採用は、かなり厳しいものがあります。
考え方の違い
このように比較してみると、基本的な考え方に違いがあることがわかると思います。
フロー重視とは、時間をも流れるものとして捉えているように見え、刹那的、結果のみ重視、投機的です。
一方ストック重視は、時間を重ねていくものとして捉えているように見え、暗黙知の形式知化、プロセスも重視、投資的です。
個人に当てはめて考える
これを個人に当てはめて考えると、出来るだけ早く、ストック重視出来るようになるべきだ!と考える事が出来ます。
収入を増やす、支出を減らすというだけでは、ストックを見ていないことになります。
金融商品や不動産を持つ。といった事だけでなく、自分の得た経験を言語化したり、既に言語化されている書籍等に記載されているノウハウを試行してみて、そこから体験を得ること、将来の収益をもたらす取り組みを戦略的に行っていくことも必要です。
となると、やはり日次、週次、月次のセルフレビューは必須ということになりますね。